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派遣労働者数の制限比率
发布时间:2013-11-04

 

   今年7月施行の改正労働契約法は、派遣労働関係に改正の対象を絞り、派遣可能業務の明確化などを内容としている。施行後の8月下旬に、法律の内容を補充する「規定案」が発表され、パブリックコメントにかけられた。「規定案」には、派遣労働者の人数を制限する比率の数字なども含まれており、論議を呼んでいる。
 
   規定案でパブリックコメント。改正法は昨年12月に公布され、今年7月に施行された。派遣可能業務の明確化、同一労働同一賃金の強化、派遣事業参入の管理強化、罰則の強化などを主な内容としている。
 
   改正法では、「派遣先企業は派遣労働者の人数を厳格に管理しなければならず、全労働者数に対して一定の比率を超えてはならない。具体的な比率は国務院の労働行政部門が規定する」などと定めていた。しかし、「規定」は法施行の7月までに発表されず、8月下旬に公表がずれこんだ。「派遣労働における若干の規定」(「規定案」)がその正式名称で、9月上旬までパブリックコメントを募り、そのうえで内容を正式決定する、という。
 
   比率は、「補助的業務」のみが対象。「規定案」のポイントは4点に整理される。
  
   第1は、派遣労働の定義の問題。「派遣先企業による労働者の労働プロセスに直接管理する形式」と派遣の定義を補足した。この定義によって、実質は「請負契約」でありながら、派遣契約を装う企業の「法律責任回避を防ぐことができる」と述べている。
 
   第2は、派遣可能な業務のうちの「補助的業務」の中身を企業が決定する過程に「労使協議」の仕組みを導入した点。派遣可能業務を「臨時的」「補助的」「代替的」とだけ記載していた従来の法律を、改正法はより細かく規定し、例えば、「臨時的」は「存続期間が6カ月を超えない業務」とした。しかし、「補助的」は職場によって違いが大きく、一律的規制の方法は難しかった。「規定案」では、「補助的業務」を、「主要な業務をサポートする主要でない業務」と定義し、そのうえで、派遣労働者を使用する派遣先企業は、補助的業務の業務リストを作成し、労働組合または従業員代表大会との共同協議を経て確定し、企業内に公示し、監督を受けるという仕組みを設けた。仕事の中身を知っている労働者を協議に参加させれば、より職場の実態に沿って業務を定めることができるとの考えに基づくものといえる。
 
   第3は、派遣先企業での派遣労働者の比率の問題。「規定案」は「派遣先企業は派遣労働者の数を厳格にコントロールすべきだ」としたうえで、「補助的業務」の派遣労働者の数を全従業員の10%を超えてはならない、とした。この項目に寄せられたパブリックコメントの中には、「補助的」だけではなく、「臨時的」「代替的」も比率の対象とすべきだとし、「『補助的』とされていた派遣労働者が『臨時的』『代替的』と形式上移されて使用される可能性がある」と懸念する意見が見られた。
 
   比率問題については、改正法施行前に先行して取り込んでいる地方政府もあり、例えば、重慶政府は2011年施行の条例で、「30%」と定めている。同様の姿勢をとる他の地方政府もあり、そのため、この数字は「30%」で決着するのではないかとの見方が大勢だった。今回の「規定案」では、「補助的」だけに対象を絞っているというものの、「10%」が示されたために、使用者側は「予想した以上に厳しい制限」と受けとめている。
 
   第4は、均等待遇ともいうべき「同工同酬」の問題。「規定案」では、「派遣先企業は派遣労働者に残業代、業績ボーナス、職務に関する福利待遇を提供する」と記載した。この項目は「同一労働同一賃金」を明確化した内容とされている。しかし、「職務に関する福利待遇」という規定では、契約社員(正規社員)と同じ福利厚生の待遇を派遣労働者は受けることが保障されないとして、「契約された社員に関する福利待遇」との文言に修正すべきだとの意見が寄せられている。事実、人的資源社会保障部は「社会保険は『同工同酬』の対象外」との見解を一部で表明している。全国総工会は、社会保険を「同工同酬」に含めるよう主張していた。それが外されたのは、派遣労働者を大量に抱える国有企業が反対したためではないか、との見方も出されている。
 
   国有銀行への影響は必至。国有企業は以前から派遣労働者への依存が大きいとされており、既に施行されている新法の影響を受けているが、規定が現在意見公募されている内容と同一の内容で実施された場合、さらなる影響を受けると見込まれている。企業によっては半数以上が派遣労働者という国有企業も存在しており、その「臨時的」、「代替的」、「補助的」の内訳にもよるが、なんらかの対策を迫られるとの公算が大きい。
 
   特に影響が大きいのは銀行である。四大国有銀行はいずれも30~50万人程度の従業員を抱えているが、各銀行はその人数の一割前後にあたる人数の派遣労働者も抱えている。これらの企業は新入社員の採用時に、直接雇用ではなく派遣社員として迎え入れ、3年程度勤務した後に試験を実施して、合格すれば正社員として登用するという制度を一部で導入している。この方式も、規定が現在の内容で実施されれば、見直される可能性を否定できない。
 
   諸外国の動向も視野に入れる。人的資源社会保障部は昨年末の労働契約法改正以降、国内での派遣労働への関心の高まりを受けてか、人的資源社会保障部が発刊する研究雑誌等で盛んに諸外国の派遣労働の制度・動向について紹介や分析をしている。この中では欧米のほか日本についても触れられており、日本については「中国と日本では社会制度が大きく異なるものの、労働市場において派遣労働が一定の比重を占めている点は共有している。とりわけ、日本で派遣労働が発展する過程で直面した問題は、目下中国が直面している問題と重なる点も多い。諸外国から学ぶべき点を吸収し、派遣労働に対する適切な法令を定めることが、中国の派遣労働の適切な発展に繋がる」としている。
 
   なお既にパブリックコメントの募集は締め切られているものの、10月末現在で規定の変更の有無や、施行の時期等についての通知はなく、規定についての今後の日程は不明である。
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