最低賃金、平均引き上げ率20%
―2012年労働統計
人的資源社会保障部は5月、2012年の労働統計を発表した。最低賃金は25の省などで引き上げられ、引き上げ率の平均は約20%だった。2015年までの第12次5ヵ年計画に掲げている失業率や失業保険加入者数など労働分野の各種数値目標は順調に達成されている。
25地域で最低賃金を引き上げ
2012年の都市非私営企業における就業者の平均賃金(年)は昨年比11.9%増の4万6769元だった。都市私営企業では17.1%増の2万8752元。出身地域外への出稼ぎ労働者の平均収入(月)は11.8%増の2290元であった。
2012年に最低賃金を引き上げた省(市・自治区)は25に上り、その平均引き上げ率は20.2%に達した。5月末時点で最低賃金が最も高いのは、月あたりでは深セン市の1500元、時間あたりでは北京市の14元である。
労働争議件数は高止まり
2008年の労働契約法および労働争議調停仲裁法の施行以降、申請費用が無料化されたこともあり、労働争議の件数は高止まりしている。2012年、仲裁機関が有効に受理した件数は前年比8.8%増の64.1万件であった(図表1)。争議の理由も、以前は賃金や社会保険に関するものが多かったが、近年は契約条件の変更や退職に伴う経済補償金についてなど、その内訳が多様化している。
図表1:労働争議件数の推移(当局受理ベース、単位:万件)
出所:人的資源社会保障部
順調に進む第12次五カ年計画
進行中の第12次五カ年計画(2011~2015年)における、労働分野の各種数値目標は、軒並み目標に対して順調に推移している(図表2)。失業率は目標の5.0%を下回る状況で推移している。その他の目標も、このままのペースで推移すれば2015年には目標達成となる。
図表2:各種労働統計推移 |
項目 |
2010年 |
2011年 |
2012年 |
2015年(目標) |
失業率(%) |
4.1 |
4.1 |
4.1 |
5.0以下 |
都市企業従業員年金加入者数(億人) |
2.57 |
2.84 |
3.04 |
3.57 |
失業保険加入者数(億人) |
1.34 |
1.43 |
1.52 |
1.6 |
労働契約率(%) |
65 |
86 |
88 |
90 |
労働争議仲裁率(%) |
80 |
94 |
95 |
90 |
出所:人的資源社会保障部